鳥居制作
鳥居について
鳥居の起因は、境内を画して出入口を設ければその締めくくりとして自ずから門が考えられる。その最も簡単なものは二本の柱を建てる。更にこれに貫(ぬき)を繋ぎに入れ、笠木を置く。この四本の結構で鳥居は完成する。門として最も簡単で原始的な、且つ最も近代的な要を得たものであると言える。従って、時代が進んでも全体としてこれを改めるべき余地が殆どなく、今日まで往古の姿形が伝えられてきた。嘗てドイツの建築家シュミットが、鳥居こそ日本建築の代表的傑作だと感嘆し「そのバランスの完備、風格の崇高さ、そして自ずから一種の神厳感を発揮している」と賛美しているが、却って日本人はいつも見なれているため、往々にしてその芸術的価値を見る目を失っていると言える。
四本の木組の構造的本質に変りはないが、時代を経て洗練され、若干形式に異同がある。その分類は数十種にも及んでいる。
鳥居は最初木で造られたため、自ずからこのような形式ができたもので、石やコンクリートで最初から造られたとしたら、当然現在の形式は起らなかったと考えられる。まず、黒木鳥居から起こり社殿の形式が変換したのと並行して大陸的手法を加味したのは、天平の末期春日神社で島木を作り出したのに始まる。
しかし木造の掘立柱で、しかも雨露に曝されては耐久的造営物ではなく大材が必要となる。かといって石やコンクリートでは、自重が過大になり震災等に耐え難く、今日その建造また改築は、経済的見地からも次第に耐久性の高い特殊鋼製に変わりつつある。
鳥居の部分名称